一粒万倍の理(中編)

 

 信者としてお教会に運ばせていただいた時代に、会長様が、「お前さんたちが遠方から月に1回運ぶのと、この近郷近在から月に5回運ぶのと、とんとんだよ」とおっしゃった。「むしろ、お前さんたちの方が、理を貰えるかもしれないよ」とおっしゃいました。

ですから、皆さん方は、月に1回じゃあ助かってまいりませんよ。月に最低5回、この布教所の御門をくぐって、何なりとひのきしんをさせていただいて、徳を積ませていただかないと、助かってまいりませんよ。

それをしないでいて、座っていて、「なむ神様。なむ神様、会長様」と言ったって助かってまいりませんよ。それを会長様が、「僕の話はねえ、聞いただけじゃあ助からないよ」とおっしゃったの。

「この教会の門をくぐって、この教会は、助かって当たり前。むしろ助からんほうが不思議な教会だよ」とおっしゃいましたけれども、また一面においては、「僕の話は、聞いただけじゃあ助かっていかないよ。皆さんが、どうやったら助かっていくかということがお分かりにならないから、僕は話をしているんだから、聞いたら、それぞれが助かっていく道を教えていただいたんだから、日常生活のなかに、実行に移して通っていかなきゃいけないよ」と。

 

お商売でもそうです。

「しょうばい(商売)といって、しょうばい(商売)は、ばいばい(倍々)と儲かって当たり前」と会長様おっしゃった。

ところが見ていると、お道のなかでなくても社会でも、商売して借金作っている人たくさんございます。どこが違っているかというと、天理天則を教えていただいていて、守らないから違っているの。

そういうなかでも、まあ助かって、儲かっているということはちょっと言えない。今みんなダメですから。ああどうもあきまへんわあという商売ばっかりですから、儲かってますわあと言えない。

だから、もうちょっと…、ええまあ…、ということですが、儲かって儲かってしょうがない方もいます。そういう人を見ていると、やっぱり違う。

 

だから、このバケツでご飯を炊かれた方も、お道を嫌っていたご主人にもやがて道が入り、子どもさん方にも道が入って、家族で信仰なさるようになった。

その土地に布教所ができるときには、もう誰よりも一生懸命、身体でひのきしんもなさったり、事情でも徳を積まれたんです。毎日、その土地の布教所へ運ばれてひのきしんをする。事情でも、誰にも負けないように徳を積ませていただくことができたんですよ。確かに、会長様のおっしゃったことは間違いがございません。

だから、初代の会長様もいつもおっしゃった。

「僕は、神様に一つ助けていただくと、神様ありがとうございましたと言って、これを七層倍に増やして、神様にお返しを申し上げた。気がついたら、いつの間にやらけっこうになってしまって、現在の私の暮らしは、何億あっても誰にも真似ができない。とうとう私は、日本で一人、世界で一人の人間になった。その人間が、確かな道として説いているんだから、聞いたら、僕の万分の一の真似をしてごらん」とおっしゃった。

そのまんま実行なんてできません、お互いに徳がないんですから。

「けれど、僕の万分の一の真似ならできるだろう。それで助かっていけば、けっこうじゃないか」と。

だから、この方ですねえ、バケツでご飯を炊いたご一家でも、本当に「まあ、あそこの家は…」という暮らしをしていた方が、「ああ、あのお方は」と世間で尊ばれる(たっとばれる)ような家柄になっていったの。

それには、そうやって会長様が、「夫婦が仲良く通るんだよ」とおっしゃった。夫婦が喧嘩ばっかりしていた。だから子どもも喧嘩ばっかりしている。家の中もうひっくり返っている。

それが、ご家内がまずお道を聞いて、主人を立てるようになったの。主人が、やっぱり立てられて嬉しくない人はありませんね。嬉しいから、家内を労わる(いたわる)ようになった。そういうなかに育っていくお子さんたちですから、兄弟は仲良うなって喧嘩をしなくなった。

ですから、主人の働きだけで、前と変わらない。ただ、変わっていることは、主人が良い人になってくれて、お勤めも長続きをするようになったということ。今までは、職場で喧嘩しては、しょっちゅう職が変わる。喧嘩しなきゃあ上司にいじめられて、「あんなところ行きたあない」って辞めちゃう。

それが、良いところに神様が入れてくださって、上司にも恵まれて、お勤めを長く勤めていけるようになった。そういうふうに、家の中がこう変わっていったの。

なぜ変わったかというと、家内も働いて金儲けして、一生懸命夫婦で金儲けしたのかっていうと違うんです。

主人の働きで、喜んで通った。足りなきゃ足りないなりに家内が工面して生活をしていく。今までは、不足、不足で通っていた。こんな主人、あんな家内というふうで。ですから、バケツでご飯を炊くような運命に落ちていったの。

それがやがて、仲良うなりましたから、ちゃんと会長様がおっしゃるように、「お道を通らせてもらっているとねえ、自分の地所に、自分の家に住むことができるようになるよ」とおっしゃった。

へえー、そんなことができるのかいなあ。また、お商売なら、「お前ひとつやってみなさい」「じゃあやらせてもらいます」って言ったら、向こうさんが元手を持って、店をつくって、「さあ、やんなはれやあ」っていうふうで、やらせてもらう。

へえー、そんなうまい話が世の中にあるだろうかと言うけれど、実際あるんです。初代の会長様の言うことを守って通られたらあるの。

すると皆さん方は、一人で働いたものを二人で働いたら何とかなるけど、一人で働いたら、教会へ運ぶんでも、布教所へ運ぶんでもタダじゃない、お金がかかります。あるいは、働くところを働かないで来る。そう思うでしょう。それは人間のそろばんなの。神様のそろばんは違うんですね。

やっぱりお互いに生かされている。神様に生かされている。今日も一日ありがとうございましたと、神様に御礼申し上げる。ただありがとうございましたじゃいけないね。少しでも、神様の御用をさせていただく。

そうでしょう、この方たちが、「まあ先生ねえ、教会へ行くんだってタダじゃありません、お金がかかりますから、まあこういうなかだけど、凧作りをして働いて貯めて、教会行かせてもらいますわ」

それでも、ああけっこうですねえって言いたいけど、そうじゃない。そうじゃないの。

私はねえ、子どものおやつ代を稼ぐのかいなあと思ったらとんでもない。「こうやって、お供えをさせていただきたいと思います」ってやってくださった。

だから会長様はね、女が働くのを喜ばなかった。

「五升の枡は五升。五升を一斗に増やしたかったら、徳を積め」働けとおっしゃらなかった。神様の御用をさせてもらう。

そうすると、そろばんで弾いていくと大変だと思いますが、これは人間のそろばん。神様のそろばんは違う。そうでしょう。

会長様は、一つ助けていただくと、これを七層倍にして御礼を申し上げた。

「気がついたら、僕はね、日本で一人、世界で一人の人間に、神様がしてくださった。その僕が、確かな道として皆さんにお話をさせてもらっているんだから、この道は間違いのない道だよ」

この方がそうなの。そういうなかから徳を積まれた。それが、年限が経つほどに、天の貯金が、今まで無かった0銭が、0円が、だんだんだんだん天に貯金ができて、自分の土地が買えて、自分の家がつくれて、そこに住めるようになった。

新幹線の中で、「まあ!思いがけないところで会ったねえ」新幹線に乗って、名古屋のお教会へ参拝ができるようになった。

ですから、私たちは、七層倍の徳積みはできませんが、それでも、助けていただいたご恩の一割なり五分なりは、徳を積ませていただかにゃあいけませんね。

そうして、今がいちばん大事なとき。先日も、「先生、風邪を引いちゃいましてねえ」ってある男の方が言った。「ああそう。あのねえ、風邪を引くのは金を引くといってね、神様にお供えをへずる(削る・減らす)と風邪を引くと、こんなふうに会長様が教えてくださいましたよ」

「そうですかあ。ああ分かりました。心当たりがございます」とおっしゃった。

「心当たりがございます。ありがとうございました。良いことを教えていただきました」って私は礼を言われた。

ただ訳もなく風邪を引くんじゃないんです。金を引くといって、神様のお供えをへずる(削る・減らす)と、へずられるよ。そういうもんなの。

まあとにかく、会長様は、「お道と世界は裏腹」と教えてくださった。

そうでしょう。なぜ社会で、保育園が足りないんですか。主人も働きが悪い。主人と家内と二人が働いて一人前になる。ですから、どうしたって小さいお子さんを保育園や保育所に預けて、お母さんたちも働かなきゃ生活が成り立っていかないというの。

これはお道と逆なんですねえ。そこに、初代の会長様の教えていただいた、天理天則というのは全然違うの。

それは働いてもいいですよ。頂いたお月給を、お供えができたらいいけど、できない。頂いたお月給のなかの、一割なり五分しか徳が積めない。それもなさらない方もある。それじゃあね、いつまで経っても解決はつきません。

まあとにかくそうやってね、もう教会でも知らない方ない。バケツでご飯を炊いている。どんなに困窮したって、鍋のひとつくらいはあるでしょう。それが、顔もバケツで洗えば、体もバケツで洗う。足もバケツで洗う。それでご飯を炊いて食べている。

それが、後には、お道を聞かせていただくようになって、そうやって、会長様が教えてくださった。

夫婦が仲良うなっていくのには、夫婦は前生の因縁、組みしあった因縁の者を神様が夫婦になさるんですから、うまくいかない。うまくいかないのが普通なの。それを仲良う通らせてもらうのには、徳を積みなさい。徳がないから仲良う通れないんだから、徳を積ませてもらいなさいとおっしゃった。

 

(中編)以上

 

 

 

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