お乳のご守護

 

 子どもさんをいただいてもお乳の出ない方に、お乳をくださったお話がございます。

 

乳というのは、婦人の胸についているんですけれども、これは主人の理と教えてくださいました。

婦人の胸についているんだけれども、これは主人の理だよと。

主人に対し、またあんなことやって、ああこんなことしていると言ってですね、主人の良いところをひろって喜べばいいのに、因縁の気分でですね、主人に不足をしておりますと、その人の因縁また家柄の因縁で、夫婦が合わないという家柄の因縁に負けていくわけですね。

そうして、主人に不足をしてると、子どもをお与えいただいてもお乳のご守護がいただけないよと、こんなふうに教えていただいておりますが、その時代は、配給の時代でございました。

大東亜戦争そして太平洋戦争になって、日本国中、物が無い無い尽くし。そしてお米から配給ということになって、とても不自由な時代がございました。

子どもさんをいただくと母子手帳というのがございまして、お乳をいただいてもお乳の出ない方でもみな、粉ミルクをひと月にまあ三缶とか、配給になるんです。

その頃、会長様が牛乳がお好きだそうだげな、というような話になったんですねえ。

そしてあるご婦人が、会長様にといって、毎月、配給のミルクをいただきますと、まずお初を一缶、会長様にといってお届けになって、後の二缶を自分の子どもさんに与えたわけなんです。

 

ある日のこと、会長様から、「このミルクを持ってきてくれる婦人は、一体どういう婦人だえ」というお尋ねがございました。

事務所へまいりまして、会長様がこうおっしゃっておられるけれど、どういう信者さんでしょうか?と言って尋ねましたところ、

「子どもさんをいただいたんですけれども、お乳のご守護がいただけなく、会長様にまず粉ミルクのお初を飲んでいただいてそのお徳を頂戴したいと、そういうわけで、ミルクをいただくと会長様にといってお届けになるんですよ」ということを伺いまして、会長様こうこうでございますと言って、申し上げたわけですね。

そうしましたら会長様が、「そうかい、お乳が出ないのかね。子どもにとってはお乳は命の代わりだよ」とおっしゃった。

そりゃあ、お乳が出なければ出ないなりに、重湯(おもゆ)を作ってあげるとか、いろいろあると思います。

けれども、「産まれたらお乳はいただける、これが天理なんだよ。それが、当然いただけるはずのお乳をいただけないということは、子どもの運命が先々悪い」とおっしゃった。

そうして男の子であれば、良い職に恵まれない。お勤め先で苦労する。ああここへ入ったけど、ああっここはまあいかん、またよそへ変わるというふうで、年中仕事が変わっていく。女のお子さんであったら、良い主人が持てない。良い家庭が持てない。嫁に行っても、どうもうまくいかない。出戻って来るということを、二度、三度と繰り返す。

「子どもにとってはねえ、お乳は命の代わりだ。そんなことに先々なっちゃあ、かわいそうだからね。こうやって美味しく頂戴させてもらっているので、この代わりに、そのお母さんにお乳が出るようにしてあげるよ」と、会長様がおっしゃってくださったんですね。

 

それから三日ほどいたしまして、そのご心配いただいた子どものお母さんが、お教会へ御礼にみえたんですねえ。

何のお礼かというと、お乳が出るようになりましたというんです。

教会の会長室で、「そうかえ、それはいけないね。子どもの運命が悪い。よしよし会長さんが、その子どものために、お母さんのお乳が出るようにしてあげるよ」とおっしゃっただけなの。

それでどうもこの時間をね、日と時間を合わせてみると、会長様が奥でおっしゃっていただいた時間から、そのお母さんのお乳が出るようになったんですねえ。

 

会長様という理の親をいただいたということは、本当にそういう助かったお話を聞かせていただきますとありがたいことだなあと、思わせていただくわけでございます。

やはりそのお母さんが、会長様なら助けてくださると、本当に命の代わりに大切なミルクでございますから、なかなかねえ、いくら会長様にといっても、毎月決まって三缶いただく中から、残ったから会長様のところへ持ってって飲んでいただこうじゃない。まずお初の一缶を会長様どうぞってお持ちくださる。

その誠真実をね、やっぱり神様は受け取ってくださってね、会長様にそういう不思議な働きをしていただいたと思いますね。

 

そして、ただお乳が出ただけじゃない。やっぱりそのお子さん、運命の悪いお子さんの運命を変えていただいたと。

それは民間でもね、いろんな療法がございます。乳揉みとか、いろんな療法がある。

お乳が出るようになったのは、ただお乳が出るというだけで、運命は変わっていない。

つまり、因縁の悪い人が死ぬまで因縁が悪かったら、天理教必要ないわけなの。

運命の悪い者でも、このお道の信仰をさせていただいて、良い因縁に変えていただくわけなの。

そういう働きを、初代の会長様はしてくださった。

 

ただし、そうして助かった方に、会長様が必ずおっしゃっていただいたことは、

「お前さんが助かっているんじゃないよ。天理教が助かって、この教会が助かって、僕が助かってるだけだよ。じゃあお前さんは、どうやったら本当に助かっていくかというと、私はねお乳が出なかったんですけど、こうしてお乳が出るようになりましたと言うて、人に話して歩くんだよ」とおっしゃった。

「ありがたいことですと言って、その話を持っていって、人さんに聞いてもらいなさい。聞いていただいて、お前さんが本当に助かっていくんだよ」と、このように必ず教えてくださいました。おたすけをすることを、教えてくださった。

つまり、たすけの台として、そうやって教えてくださったわけなんです。

ですから、ただお乳が出て嬉しかったというだけでなく、そのお子さんの運命を、悪因縁から善因縁に切り替えてくださったんですね。

 

こういうおたすけを、みせていただいたことがございます。

 

以上

 

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